真理は楕円形をしている

「真理は楕円形をしている」と内村鑑三が言ったそうだ。真理には中心点が二つあると。それは、真理が一つではないという意味ではなく、一つである真理は中心点が二つある構造をしているという意味だろう。

個と集団、保守と革新、地域性と国際性、特殊と普遍。二項対立のように見えるそれぞれの大切な考え方の緊張や対立を解消し、第三の道を探る必要にいつも迫られているように感じていたが、そもそも、その緊張関係そのものが解なのではと近頃思うようになった。

バランスを保つという何となく甘っちょろいことばに逃げたくはない。むしろ、二項対立のように見えるそれぞれの考え方に真剣に取っ組み合った上で、その緊張関係がぴったりと拮抗している状態そのものが解なのではないか。